大和市鶴間の歯医者、スギヤマ歯科医院のブログページです。
皆さま、こんにちは。スギヤマ歯科医院、院長の杉山順一です。
毎日皆さまのお口のケアのお手伝いをしている中で先日、「歯間ブラシを使ってみたのだけど、においが強くて困る」「デンタルフロスをすると、たまごがくさったようなにおいがする」というご質問がありました。
デンタルフロスや歯間ブラシというのは、歯と歯の間の隙間に通して使う清掃補助用具のことです。
歯と歯の間に溜まっていた汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシで磨くと当然フロスやブラシのほうに取れて付いてきます。
デンタルフロスや歯間ブラシから嫌なにおいがする場合、それは、この歯と歯の間からとれた汚れのにおいだと考えられます。
つまり、普通の歯ブラシだけでは取りきれなかった汚れがそれだけ取れた、ということですから、そのこと自体はいい事なのですね。
ただ、誰でもそんなに強い嫌なにおいがするものなのか、という心配があるわけです。
そこで、デンタルフロスや歯間ブラシを使うとにおいが出る原因について考えてみましょう。
食べかすとプラークはにおいの原因になる
デンタルフロスや歯間ブラシについた汚れのにおいは、食べかすやプラークが原因です。
食べかすそれ自体ではさほどにおいは出ませんが、食べかすが口の中に長く留まると口の中に住んでいる細菌が食べかすのタンパク質を分解して、この時においが発生します。
「ドブのような」「卵の腐ったような」においとよく表現されますね。
さらに、その食べかすの中に細菌が増殖すると、プラーク(歯垢)と呼ばれるネバネバしたヌメリの塊になります。これもにおいの原因になります。
ということは、食べかすを長い間歯と歯の間に留まらせないように小まめに歯間ブラシを使い続けたり、食後早いうちにブラシを使うことでなるべくプラークを作らせないようにすれば、においを減らせると言えます。
プラークコントロールとは?
皆さまは、歯磨き粉のCM等で「プラークコントロール」という言葉を聞いたことがありますか?
先ほど書いたように、プラークとは食べかすの中に細菌が繁殖し、ネバネバした細菌のヌメリになった状態です。プラークは粘着性があるので歯ブラシではなかなか取れません。ですからまだヌメリになっていない食べかすのうちに汚れをこまめに取って、プラークを作らないようにすることが大切で、この考え方をプラークコントロールと呼びます。
歯の汚れは、およそ8時間でプラークになり、24時間後には硬い歯石になると言われています。歯石になってしまうと歯ブラシの力だけでは落ちなくなってしまいますので、出来れば毎食後、仮に百歩譲っても1日に1回は歯の汚れをリセットするのが望ましいです。
そして、プラークコントロールには、デンタルフロスや歯間ブラシが欠かせません。
普通の歯ブラシだけでは、なかなか歯と歯の間まで磨き切るのは難しいのですが、歯間ブラシと歯ブラシを併用すると、歯の間の汚れが約9割取れるというデータがあります。
効率よくプラークコントロールをするためにデンタルフロスや歯間ブラシは欠かせない道具なので、ぜひ使ってみて下さいね。
歯と歯の間の汚れが原因ではないにおいの場合
口の中の特定の場所を磨いた時ににおったり出血したりする場合、歯周病で歯茎が炎症を起こしている場合があります。また、虫歯で歯に穴が開いていたり、以前治療した詰め物に隙間が出来たりしていると、そこにプラークが溜まって細菌が増殖するので、そこを磨いた時ににおうということもあります。
この場合はプラークコントロールだけでは解決しませんので、一度歯科を受診していただくことをおすすめします。
まとめ
デンタルフロスや歯間ブラシは、普通の歯ブラシでの歯磨き後に補助用具として使用するととても効果的です。また、ご自分の歯の隙間の状態に合った大きさを選ぶことも大切です。正しい使い方で歯と歯の間のプラークコントロールをして下さい。お困りの際は、どうぞ遠慮せずに私達スタッフにお尋ね下さいね!