大和市鶴間の歯医者、スギヤマ歯科医院のブログページです。
こんにちは。歯科衛生士の伊藤です。
年末になり、献血のお知らせを見かけるようになりました。
最近は神社や学生さんも協力して、献血を呼びかけているようです。
人のためにお役に立てることですので、ぜひとも協力したいですね。
ところでみなさんは、歯科治療当日を含め、3日以内は献血ができないことをご存じでしょうか?
今回は、献血から学ぶ歯周病のリスクに注目してお話します。
このブログを読むと、歯科治療後になぜ献血がいけないのか、歯周病は全身にどんな影響を及ぼすのか知っていただくことができます。
出血は、献血に影響が出るわけ
意外かもしれませんが、歯科治療時の口の中での出血は血液に影響が出ますので、献血を避けなくてはいけません。歯石除去でも影響が出ます。
日本赤十字の公式でもこのように発表されています。
出血を伴う歯科治療(歯石除去を含む)を受けた方
出血を伴う歯科治療(歯石除去を含む)に関しては、抜歯等により口腔内常在菌が血中に移行し、菌血症になる可能性があるため、治療日を含む3日間は献血をご遠慮いただいています。
(日本赤十字公式HPより)
菌血症というのは、血液中に細菌が入ってしまった状態です。
(歯科治療だけでなく、ちょっとしたケガのほか、ピアスホールをあけた直後でも菌血症になることがあります)
健康な人でしたら免疫があるので回復できますが、輸血が必要な状態の方にはリスクが高いです。
ですから、歯科治療後の献血は、治療日を含めて3日間あける必要があるのです。
気を付けて予定を立てましょう。
歯周病・歯肉炎はコワい全身疾患の原因になります
さて、ここで少し視点を変えてみましょう。
口の中にできた傷から菌が血管に入り、血液にのって全身にめぐることが、献血の例によってわかったと思います。
では、歯茎から出血するリスクが高い歯周病は身体にどんな影響を及ぼすでしょうか?
歯茎の傷から歯周病菌が血管に入り込み、血液にのって体中をめぐっていることに気が付くかと思います。
手足の先、心臓、脳など、それはもう全身に歯周病菌がばらまかれた状態です。
歯周病菌は、心筋梗塞、脳梗塞、肺炎、高血圧、早産、糖尿病などの疾患を引き起こす原因になることがわかっています。
さらにやっかいなことに、歯周病菌はそのものだけでなく、菌の死骸もまた毒素を持ったまま血管に残り、血糖値に悪影響を及ぼします。(日本臨床歯周病学会の報告より)
元気で長生きするために、歯周病は本気で対策しなくてはいけない病気なのです。
歯周病の影響は、身体が弱ったときに目立って出てきます
歯周病の影響は、若くて元気なときは気が付きません。
ですが、大病をしたり、加齢によって体力が落ちたりすると、てきめんに症状が現れやすくなります。
歯周病は「ちょっと歯肉が腫れていて、血が出ているけど、気にしなくて大丈夫」
・・・なんて油断してはいけない病気なのです。
45歳以上の日本人の8割は歯周病を罹患しているという報告もありますから、症状が出ていないうちから対策することが大切です。
歯周病対策には定期検診が一番大切です
歯周病は自分で予防、改善するのが難しい病気です。
出血や歯茎の腫れ等が見受けられたら、まずは歯科を受診しましょう。
特に症状が無くても、年に2,3回は定期検診を受けてお口の健康をチェックしましょうね。
歯周病は生活習慣や歯みがきの仕方も見直すのが効果的です。
自分で気が付いて修正するのは難しいので、歯科でのアドバイスをぜひ受けてほしいと思います。
歯周病の原因となる歯石取りも忘れずに行いましょう。
まとめ
歯科治療の当日を含め3日間は、献血を控えましょう。
また、歯周病菌は口の中の傷から血管に入り、血液に乗って全身をめぐります。
お口の健康維持は、全身の健康維持と直結することを意識しましょう。
定期検診には通院のしやすさが大切です。