皆さま、こんにちは。大和市鶴間にあるスギヤマ歯科医院、院長の杉山順一です。
幼稚園から小学校低学年にかけての時期には、いろいろな「くせ」によってかみあわせや歯並びなどのお口の機能が正しく作られてゆかないことがあります。
大抵は問題のある「口腔習癖」を、本人が無意識のうちに日常生活で行なってしまっていることが原因です。
こういった場合は、お口の機能訓練を意識的に行うことによって口腔習癖を改善して正常な機能を身につけてゆくことが、本人の将来にはとても大切になります。
そこで、お家で手軽にできるいくつかのトレーニングを書いてみます。
1、鼻歌
口を閉じたまま「鼻歌」を歌ってみましょう。まずはじめは何でも良いので自分の好きな歌を歌ってください。慣れてきたら1センテンスの長い歌を選んでみます。童謡の「海」(うみは広いな大きいなー)はおすすめです。
2、ゼリートレーニング
舌の上にゼリーを置いて、舌を上あごの裏側に持ち上げて、口を開いたまま(唇を閉じずに)飲み込みます。飲み込んだ後に舌にゼリーが残らないようにしましょう。
3、風船膨らまし
風船を膨らませてみましょう。最初は手で押さえながら膨らませます。慣れてきたら手を使わないで唇だけで支えてみて下さい。風船のサイズを小さくすると難易度が上がります。
4、割り箸くわえ
割り箸や鉛筆を上下の唇ではさんでくわえます。ちょっと長いですが30分以上落とさないようにやるといいです。慣れてきたらスプーンなどの少し重いものでやってみましょう。
5、ガムトレーニング
ガムをかんで、舌でガムを上あごの裏側に押し付けます。なるべくガムを舌で広げて上あごの裏側に広く押しつけてみましょう。もちろん、少し硬いガムを奥歯でしっかりかむことだけでも「筋肉を使ってかむ」という意識を身につけられます。
6、右ガムトレーニング/左ガムトレーニング
普段食事の時によくかむ側と反対の側でガムをかみます。片側ガムトレーニングをすることで、「反対側で意識してかむ」イメージがつきます。
まとめ
いくつかの自宅で手軽にできるトレーニングを書いてみました。
しかし、手軽と言っても、日常生活の中で小児の方々にこうしたトレーニングを定期的に取り組んでもらうことは、実は簡単なことではありません。また取り組んでもすぐに効果が現れることはまずありませんし、小学校高学年までとなると子どものお口の機能の育成は長期になるため、習い事や塾などで忙しくなり、また思春期の心の変化も相まってトレーニングを続けるのは一筋縄ではいかないのが実情でしょう。
個人差はありますが、小学校の6年間でほとんどの乳歯が永久歯に生えかわり、大人の歯列ができてゆきます。中学生以降はいっそうし忙しくなり親の管理も難しくなってゆきますから、小学生の間にある程度でも道筋をつけてあげられれば、本人にとって将来お口の正しい機能が身につくことでしょう。