大和市鶴間の歯医者、スギヤマ歯科医院のブログページです。
皆さま、こんにちは。スギヤマ歯科医院、院長の杉山順一です。
さて皆さま、「知覚過敏」という言葉を聞いたことはありませんか?最近はテレビのCMでもよく聞く言葉ではないかと思います。
虫歯ではないのに、冷たいもの熱いものが歯にキーンとくる。歯ブラシの時に、毛先があたって歯が痛い。
以前はおいしかったはずの酢の物が、歯に染みて食べられない。
そんな症状があれば、知覚過敏(ちかくかびん)かもしれません。
今回は、知覚過敏の原因やセルフケア、歯科で行う治療法についてまとめます。
知覚過敏は象牙質の露出によって引き起こされます
知覚過敏の多くは、歯のエナメル質が薄くなったり、歯茎が下がって象牙質が露出したりすることで発症します。
知覚過敏は歯周病や加齢、不適切な歯ブラシなどが主な原因です。この場合はどこか1~2本だけの歯に急激に痛みが出ることが多いです。
象牙質の奥には神経につながる無数の穴があり、冷たいものや歯ブラシのこすりなどの刺激がその穴からビリビリと伝わるのです。
…と、想像するだけでも痛々しいですよね。
そう、知覚過敏の歯は、歯の表面に細かい穴がたくさん開いてしまって刺激に対して無防備な本当に痛々しい状態になっているのです。
知覚過敏はセルフケアよりも歯科での治療を
初期の知覚過敏でしたら、フッ素入りの歯磨き粉やカリウムイオンの入った知覚過敏用の歯磨き粉を使うことで改善が期待できます。いわゆる歯の再石灰化ですね。
しかしそれでも治らず、痛くて歯が磨けないような状態なら、もうご自分で症状を改善することは困難です。我慢していると症状が悪化して神経を取らなくてはいけなくなることもあります。
虫歯ではないからと軽く考えずに、早いうちに歯科を受診しましょう。
歯科で行う3つの治療方法
知覚過敏に対して、歯科では次のような治療を行っています。
フッ素塗布
歯の表面にフッ素やカリウムイオンを塗布します。
歯科用レジン
歯科用レジン等を用いて、露出した象牙質を覆ってコーティングすることで、神経への刺激を遮断して症状を軽減します。この方法は、特に刺激に対して敏感な部分を保護するのに効果的です。
神経鎮痛薬の処方
痛みが強い場合や、他の治療が効果を示さない場合は、歯医者が痛みを和らげるための薬を処方することがあります。
これらの治療方法を、患者様の症状や原因に合わせて選びます。セルフケアよりずっと即効性がありますし、根本的な原因の解決にもつながります。
まとめ
知覚過敏の多くは、歯のエナメル質が薄くなり、歯の根元部分の象牙質が露出することで起こります。
象牙質は一度露出すると元に戻るのは難しく、放置していると痛みが慢性化して再発もしやすいです。
初期の症状は虫歯の症状とほとんど同じなので、虫歯がないかどうか歯科医院でチェックしてもらう必要があります。
また最近、象牙質が露出していなくても知覚過敏が起こることがあることもわかってきました。この場合は、同時に多数の歯に起こることが多いので、
「口の中全体がしみる」「どの歯がしみているのかよく分からない」
という感じになります。くいしばりや歯ぎしりが原因と言われています。仕事中などでも、くいしばっていることに気が付いたら少しお口を緩めてリラックスさせてあげましょう。