どうする？入れ歯の破損と接着剤

大和市鶴間の歯医者、スギヤマ歯科医院のブログページです。

皆さま、こんにちは。スギヤマ歯科医院院長の杉山順一です。
入れ歯を使っていて「うっかり落として割ってしまった」「バネがポロっと取れてしまった」という方は結構いらっしゃると思います。

入れ歯は毎日使う道具です。大切に扱っていても、破損してしまうこともしばしばあり得ます。

「土日が休診なので仕方なくそのまま使っていた」
「仕事などで通院する時間がとれないので、市販の接着剤で自分でくっつけてしまった」

という声もお聞きします。
お気持ちは良くわかりますが、そのまま使ってしまうのは実はとても危険な行為です。

今回は、入れ歯が割れた・壊れてしまったときに慌てないために覚えておきたいこと、修理や応急処置の考え方についてお話しします。

入れ歯を市販の接着剤で付けるとどうなるの？

皆さまの場合、応急処置として、工作用の瞬間接着剤を使うことが多いのではないか思います。実際やってみるとすぐに乾くし、ちゃんとくっついたように見えることもあると思います。

しかしお口専用の接着剤ではないので、身体への影響が心配されます。嫌な味がする、具合が悪くなる等が考えられますよね。

また、お口という環境の中で、食事や噛みしめ等に耐えられる強度は期待できません。

不適切な接着をしたため、後で歯科を受診された時にはもう修理ができなくなる場合もあります。

入れ歯というのはとても精密に作られていますので、割れた部分をもとと同じ形にくっつけなおすのは私たちでも実はそんなに簡単なことではありません。

ましてご自身でくっつけた場合は微妙にずれてくっついてしまうことがほとんどです。

合わない入れ歯は口内炎を繰り返す原因になりますし、全身の不調にもつながります。

ですので、入れ歯に不具合があったらまずは歯科を受診して、入れ歯の状態を確認することが大切です。

入れ歯によく使われているプラスチックという材料は正直に、正直に申してとても壊れやすい材料です。

落として割ってしまったなどの場合は別ですが、普通に使っているうえでの入れ歯のトラブルを防ぐためには定期検診を受けることが有効です。

定期検診では、次のように口の中や入れ歯の状態をチェックしています。

普段から定期検診を受けていると、入れ歯や噛み合わせの状態が分かり、壊れる前の処置や早期発見・早期治療の対応ができます。

例えば、入れ歯が擦り減ってだんだん薄くなっていることに定期検診で気づいた場合には、割れる前に入れ歯に厚みを足すことで、トラブルを事前に防ぐことができますね。

定期検診を受けて、普段から入れ歯とお口の状態を整えましょう。

入れ歯が壊れてしまったとき、市販の接着剤で応急処置をするのは危険です。壊れた入れ歯を使い続けたり、自分で修理したりするのは、お口にも身体にも悪影響です。普段から定期検診を受けて入れ歯のメンテナンスをし、トラブルを避けましょう。

入れ歯が何度も繰り返して壊れてしまう場合は、もっと丈夫な素材を選んだり、作り方を工夫したりするなどの対応ができますので、お気軽にご相談くださいね。