歯周病にも効果あり 家庭用口腔洗浄機の注意点(メリットとデメリット)

皆さま、こんにちは、大和市鶴間にあるスギヤマ歯科医院、院長の杉山順一です

今回は日ごろ皆さまからよく質問のある、家庭用口腔洗浄機のメリットデメリットについて、歯周病予防の観点からお話します。

最近話題の口腔洗浄機とは?

口腔洗浄機とは、歯や歯肉の隙間に詰まった汚れや細菌を、高圧の水流で効果的に洗い流す機器です。

「ウォーターピック」や「ジェットウォッシャー」などの商品名のほうがよく耳にするかもしれません。

日本では1980年頃に家庭用家電として販売されました。当時は大型で使いづらく、あまり普及しませんでしたが、ここ数年、コンパクトでスタイリッシュなデザインの小型家電として販売・注目されるようになりました。 

歯周病ケアにも有効!口腔洗浄機の4つの魅力


深部クリーニング

歯周病は、歯と歯肉の間のポケットに細菌が蓄積することで発生します。歯周病が進むとこのポケットが深くなるので、どんなにうまくブラッシングしてもポケットの最深部まではブラシの毛先は届きません。

ブラッシングで届くのは歯ぐきの中に向かってせいぜい2~3ミリまでですが、歯周ポケットは4ミリ~10ミリになることもあります。

家庭用口腔洗浄機は、高圧の水流がこれらの深い部分にも入り込み、細菌や食べかすをある程度取り除くことができると期待されます。

歯間部の洗浄

歯間ブラシやフロスはねらった歯間にきちんと挿入することがそもそも簡単ではありません。

家庭用口腔洗浄機は、高圧の水流が歯の間に瞬時に到達し、歯の形や向きなどにあまり左右されずに、より広範囲の汚れや細菌を洗い流すことができるので、歯周病の発生源となる細菌の蓄積を防ぐことができます。

刺激とマッサージ効果

正しい圧力で使用することで、口腔洗浄機は歯肉のマッサージ効果をもたらし、血行を促進します。これは、健康な歯肉の維持と歯周病の予防に役立ちます。(ただし適切な使い方が必須!)

プラークの低減

口腔洗浄機を使い続けることで、歯石になる前のプラークを浮かせてブラッシングをした時に除去しやすくすることができます。

注意!家庭用口腔洗浄機のデメリット

 

このようにメリットが多く万能に思える口腔洗浄機ですが単品で利用することはおすすめできません。

口の中の隅々まで高圧の水流で洗浄することはできても、固まった歯石しつこいプラークを完全に落としきることは難しいからです。プラークは基本的には歯間ブラシや歯ブラシによるブラッシングによって物理的にこする力でないと落ちません。

また、水流の強さ加減を間違えると歯茎や歯肉に過度なストレスをかけてしまい、歯茎の後退につながる危険性もあります。また知覚過敏などで水が歯にしみる時には痛くて利用することができないのもデメリットです。

まとめ

家庭用口腔洗浄機は歯周病や歯肉炎の予防・対策に有効な道具ですが、それだけでは十分ではありません。
食べ残しや細菌を広範囲にある程度洗い流すことはできでも、プラークを完全に取り除くことは難しいです。まして歯石になってしまうと歯科医院でしか落とせません。それに歯茎へのダメージを考慮すると1日に何度も利用できる道具ではなく、歯ブラシや歯間ブラシとの併用が絶対に必要です。あくまでもブラッシングが第一と思って下さい。

口の中の健康は、全身の健康と深く関連しています。家庭用口腔洗浄機も便利な道具として取り入れながら、従来のケアと定期検診も併用して、健康なお口を維持しましょう。

スギヤマ歯科・診療時間スギヤマ歯科・診療時間