大和市鶴間の歯医者、スギヤマ歯科医院のブログページです。
今回は入れ歯とノンクラスプデンチャーの特徴やメリットやデメリットをまとめました。
どうぞ参考にしてみて下さいね。
ノンクラスプデンチャーとは?
歯を抜いた時にはしばしば「入れ歯」という物を作ります(入れ歯のことを「デンチャー」と言います)。
保険治療で出来る入れ歯(デンチャー)は、残っている歯に金属のバネを引っかけて口の中で固定します。
このバネのことを「クラスプ」と呼びます。
ノンクラスプデンチャーとは、この「クラスプ」が無い(ノン)タイプの入れ歯(デンチャー)と言うことです。
ただ、何も引っかけるものがないと口の中でガタガタ動いてしまいうまく噛めません。
実際には、金属のバネではなく、入れ歯全体を柔軟性のある樹脂で作りその樹脂でそのまま残っている歯に引っかけて固定します。
メリット
樹脂は歯ぐき色(ピンク色)をしているので、ノンクラスプデンチャーをはめて口を開いても目立ちません。
入れ歯を使っていることが分からないというのが唯一最大のメリットです。
デメリットその1
ノンクラスプデンチャーに使われる樹脂は、水分を吸収して徐々に劣化してゆく性質があります。
そのため、2~3年も使い続けると劣化して歯に引っかけている部分が折れたりゆるくなってきたりします。
また初めはピンク色だったものが色が薄れて白っぽくなってきます。
保険適応の入れ歯はプラスチックで作られていますが、このプラスチックもやはり水分を吸収することは同じなので、経年劣化で汚れがしみ込んだり入れ歯が割れたりすることは避けられません。
しかしノンクラスプデンチャーの中でも、比較的水分吸収性が少なく劣化しにくい樹脂材料もあります。
この樹脂は煮沸消毒もできるので清潔です。
デメリットその2
入れ歯は本来、噛む力を受け止めて入れ歯を支える歯に力を伝える役目をバネ(クラスプ)が担っています。
ノンクラスプデンチャーはこのクラスプがないので、奥歯にはめると噛む力が弱くなりがちです。
そういう意味ではノンクラスプデンチャーは、噛む力があまりかからず見た目の良さが求められる前歯に作るのがおすすめと言えます。
また、奥歯に作る場合には、最小限の金属を使ったり、目立たない場所を選んでその部分にのみ金属を使うやり方もあります。
デメリットその3
ノンクラスプデンチャーの材料はそもそも保険が適用されません。自費治療になるので費用がかかります。
まとめ
入れ歯の作り方や使う材料にはいくつかの選択肢があります。
その中には保険適応ではないものもあります。
食事用の入れ歯と外出用の入れ歯をそれぞれ材料を変えて作り、2つの入れ歯を使い分けるというやり方もありでしょう。
見た目に他人に目立たないというのはとても大きなメリットと言えます。
皆さま、自分の価値観に最も適したものを一緒に考えてゆきましょう。